りゅうこつ小屋の屋根損傷 --- 1999年6月19日の状況


到着したのは 12:30くらい。
雨がけっこう激しく、上る途中の道は雨で両脇から倒れ込む草でかなり狭まっている。 その他にもかなり竹が道にはみ出して生えている箇所あり。 次回の草刈りの際は大きい車で行く人は要注意。
ちなみに小屋の前の未舗装部の路肩の草はきれいに刈られている。 おそらく地元の方がここの草刈りをする時に発見してくれたのではないかと思われる。

阿部さんのメイルに「解体して上に運んだ」と書かれていたので、 てっきり観測棟には屋根がない状態を想像していたが、 屋根はほぼ原型をとどめてレールに載っており、全体をブルーシートで覆われていた。 シートはしっかりと紐で土台に縛りつけられているので、 よほどの風が吹かない限り、当面は心配なさそう。

> 全体像(北方向より)
バックは霧でかすんでいる。
手前にあるゴミの山は、よく見ると...
> ...ただのゴミじゃなくて、断熱材や天井だったベニヤ板だ。
哀れ...
> 全体像(西方向より)
この方向から見ると大した被害はなさそうだが、 南東側の屋根の波板は下の画像のように激しく損傷している。
> 南東側の屋根の状況。(1999/06/23追加)
波板はなくなりタル木も激しく損傷している。
ただ、冷静に考えてみると、ひさしはこんなに長くなかったような気もする。 屋根はあまりに自然な状態になっているので深く考えていなかったが、 阿部さんのメイルにあったように一度分解してから再度ここに組み上げてくれたのだとしたら、 かなりバラバラの状態から組んでいるはずで、 大変な手間がかかっている事は容易に想像される。
> 屋根を内側から見た状況。(1999/06/23追加)
このあたりは波板もほとんど傷んでいないが、 ところどころにある釘の穴や、妙に食い違っているタル木の状態からみて、 やはり一度分解してから再度組み上げてくれたのではないかと強く思わせる。
> 止め金が引きちぎられて無くなっている。
観測小屋の屋根を飛ばされたのは個人的には 3度目の経験だが、 いつもながらの風の威力はすさまじい...
応急処置として紐でしっかり固定してくれてあった。
> 壊れたもうひとつの止め金。(1999/06/23追加)
こちらの止め金は台木ごと引きちぎられている。
もちろん、飛んでいたものを拾ってきてここにつけてくれてあったもの。
> 観測棟の中(南東側面)から外が見える... ^^;
この望遠鏡は鏡筒を外して宿泊棟に移し、架台も北西側の土台に移動した。 また、これの足元に置かれていた 8cm屈折は宿泊棟に、発電機は北西側の土台に移した。

屋根が飛んでから発見されるまでの間には幸運にも雨は降らなかったようで、 引舞の時に運び込んだままの雑誌類が北西側にかなりたくさん置かれているが、 ほぼ無事のようだ。
ただ北西側の土台にかけられていたシートに雨が溜まっていたので、 もしかしたら現時点では中央付近には少々雨漏りがあるのかもしれない。

この雑誌類を一人で宿泊棟に移動するのは気が重かったのでそのままにしてある。
東から吹き込んだとしても雑誌類が濡れることはないと思う。 ただ、現時点で東から強風が吹くと、 風をはらむ格好になるので再度屋根が(波板だけが)飛ばされる危険もあるが、 雨の多い時期でもあり、そういう事態にだけはならないよう、ただただ祈りたい気分。

というわけで、現場はとても適切かつ十分な処置がされていたので、 僕は望遠鏡を移動しただけでした。

以下は推理ゲームです。

周囲の様子からみて、屋根はどうも入り口付近の杉の木の前あたりに着地したらしい。 (そこだけ草がべったりと寝ている上に波板の残骸が多い。)
着地地点があと 3mほど西にずれていたら、 おそらく谷に転落して大破し、回収も不可能だったと思われるので、 そういう意味では幸運だったと言えるかもしれない。

止め金の損傷は屋根の各面に 2つずつあるもののうち、 西面北側および北面東側の 2つのみ。
他の 6つの止め金はすべてほとんど無傷なので、 おそらく飛ばされた瞬間には壊れた 2つ以外はかかっていなかったものと思われる。 振動で外れたのかもしれないので、構造ないしはロックの方法を考えた方がよさそう。
また波板の損傷は東端が激しい。
止め金の壊れ方と屋根の着地推定地点などから考えて、 南南東の強風であおられて東から持ち上がり、 半回転して東端から着地して壊れたのではないかと思う。

以上、取り急ぎの速報でした。


Copyright Satoru Yamane 1999, All right reserved.