5月3日(日)三日目

昨晩からの雨はずっと降り続いている。今日の天気予報は最悪だ。しかし今日中に月山の駐車場まで行ければ問題ない。せっかく高速道路のSAに接続している温泉があるのだから入っていこう。

まず朝食。SAの軽食堂オープン時間は08:00とちょっと遅い開店だ。我々は一番でうど ん,そばを食べた。結構混んできてパニクッている。このSAはまだ新しいので、GWのピー クを経験するのが初めてなんだろう。さっさと食べて温泉に向かった。

SAから温泉へ、雨雪よけの天井付き連絡通路でつながっている。雨が強いので助かった。 この温泉の建物(オアシス館)もまだ出来たばかりのようで新しい。1Fには食堂,土産コーナー温泉受付があり、2Fに温泉,休憩室がある。(入浴料は確か525円)

浴室は結構広く、ベランダに野天風呂が作ってある。(男性用。女性用も多分同じ)入浴後 休憩室で一服した。ふと壁を見ると、地ビールの紹介がある。早速飲んでみようと意見は一致 したが、せっかく地ビールを飲むんだから、舌の校正(なんて科学的だ!)が必要だろうと自動販売機で大手銘柄ビール(キリン一番搾り,キリンラガー,アサヒスーパードライ)を購入し、じっくり舌の校正を行った。

1Fの食堂へいくと開店は10:00だが、食事物は11:00からとのことで、おつまみを土産コーナーで購入(いぶりがっこ,鴨肉の薫製,チーズサラミ)し、それらを切って皿に盛ってもらった。 地ビールの味はちょっと濃い目の味で、エキスたっぷりの感じである。美味いことはうまいのだが 私にとってはスーパードライの方が飲みやすい。で、当然のように日本酒へ行ってしまった。

午前中からSAに車を置いて、風呂に入って、酒を呑めるなんていうのはここだけだろう。あんまりオープンにしてしまうと、高速道路からの客には酒類の販売は行いませんなんて、堅い話になってしまうと残念なのでこのへんの部分は引用禁止。でも運輸大臣だっけ、高速道路でも酒を売っても良いことにしようなんて規制緩和にかこつけてへんてこな提案したのは。(お酒大好きの私でもさすがに眉をひそめました。そんなに呑みたきゃ我々のように持参すべきだ、ってーのも、やっぱり変ですね。)

おつまみ食べながら酒を呑んでいる3人組のテーブルの周辺もぼちぼち食事の客が増えてきた。カウンター付近には行列が出来つつあったので、そろそろ退散しようと席を立ったのが ちょうどお昼頃(開店とほぼ同時に入ったので2時間もいた事になる)だった。

今日は秋田道から東北道を経由して山形道へ向かう。一度湯田ICで降りてそのまますぐに 上り方面へ乗る。下り方面は結構車が多い。今日は帰省と戻りの両方が行き交う日になるの だろう。ふたたびSA巡りを行うこととなった。

今度は前沢SAだ。ここは前沢牛が有名である。牛肉の最高ブランドは兵庫県の但馬牛だろ うが、東北も前沢牛,米沢牛と結構がんばっている。なーんて書いてもそれらのブランドを代表するような高級肉は残念ながら食べたことがない。また下りのSAには「田村の梅」という「水戸の梅」にちょっと似て、もう少し高級な感じの和菓子がある。これもなかなかの逸品だ。

続いて長者原SA。ここは以前「稲庭うどん」を置いてあった唯一のSAだったが、最近は結構あちこちに置いてあるので是非にと薦めるものは無い。

村田ジャンクションから山形道へ入る。山形道は日本海まで達しておらず、我々は寒河江IC で国道112号へ降り、月山へ向かった。一般道も車の量は多い。とはいっても大して混まずに月山スキー場方面の右折路へたどり着いた。そこからはかなりの急登が続く。国道112号では曇りだったが、登るにつれて雨が降ってきた。ある程度登ると周辺に雪が現れてきて、少しガスがかかってくる。岩木山や八甲田山よりは雪が多く、これならやっと滑れそうな気配を感じる。

18時前には駐車場に着いた。テントサイトを捜すが、適当な場所は無い。立て札には「国立 公園内のためキャンプ禁止」とある。しかしこの時間では移動している暇はないので、失礼して駐車場に張らせて頂くことにした。前日の雨でぐしょ濡れのテントを張らなければならない。場所を決めて、早速張ろうとしたら、ポールが鈍い音を立てて折れてしまった。何という事だ。これでは第2回目の山菜天婦羅が出来ないじゃないか。それどころか今晩どうしよう。一瞬焦ったが、下界に降りれば雨は降っていなかったし、どこかの駐車場にでも止めて、荷物を整理して車に寝りゃいいじゃないかと気を取り直した。すぐテントをたたみ、下界へ降りよう。国道112号まで出たが、手頃な駐車場が見つからない。道の駅「西川」へ寄り、今後の予定を検討する。

道の駅「西川」は寒河江ダムのダム湖「月山湖」のほとりにある。日本一高い噴水が設置され ているそうだ。ちょうど見ることが出来たが、なかなか立派な噴水だ。しかしなんのためにやっているのだろう。省エネには反する行為だなあ。もうすぐ日が暮れるというのに結構お客さんが入っている。今夜は、すぐ斜向かいの駐車場で寝ようと腹を決めた。

駐車場は3割程度車があったが、スペースは充分ある。早速山菜天婦羅の準備にかかった。ち ょっと離れたところのキャンピングカーがエンジンを掛けっぱなしでうるさいが、まさか一晩中ということはないだろう。雨はほんの少し霧雨状に感じるけど、雨具の必要は無い。車の後ろのドアを跳ね上げ、そこに蛍光燈をぶらさげて天婦羅をやった。おとといの天婦羅のときは「シャブリ」だったが今日はチリのカベルネ・ソービニヨン使用の赤ワインだ。天婦羅はやっぱり美味い。

飲みながら食べているうち、佐藤君が「この天気ですし、明日はきっと混むし、日和っちゃいましょうか。」と呟いた。私は「そうだな。」とか言いつつも心の中では「そうしよう、そうしよう。」とスキーはあっさり諦めていた。大泉君は一昨年のGW以来スキーをやっていないということで是非にもやりたそうだったが、私の「月山なんて一番早く滑りたい奴か最後まで滑っていたい奴のためのスキー場できっと面白く無いし、青森で滑れなかった我々のような連中が押し寄せて絶対混むこと間違いなし。」という決め付けでスキーを完全にあきらめたのであった。

そうなると明日のスキーに替わる魅力的な代案を提出しなければならない私は「野沢君の所 へ行こう。GWは忙しいらしいけど、そんな時は手伝えばいい。温泉もあるし。」と提案した。カメラ大好きの佐藤君は即OK。大泉君は名残り惜しそうだったがしぶしぶOK。私は心変わりのしないうちにと考え「すぐ出発して、どこかのSAかPAで寝よう。」と即、出発した。

で、再び寒河江ICから山形道へ乗り、東北道へ向かった。最初のSAは国見SAだ。あまり良い場所が見つからないので、次の安達太良SAへ行く。ここには端の方に高い木が数本あり、ベンチがいくつかあって、寝袋で寝るのには都合が良い。ここに決めて寝袋を出す。大泉君はゴアのシュラフカバーを付けた。今のところ雨は降っていないが、もし気が付いたら起こすことにして寝に入った。なかなか寝つかれずに少し経って寝袋から少し顔を出すと、弱い霧雨を感じる。どうしようか迷ったが、一応降水なので起こすことにした。大泉君はさすがにゴアのカバーだけあって「この程度なら問題ないのでこのまま寝まーす。」佐藤君と私は車へ戻り多少荷物を掻き分けて二人分の場所を確保した。

この写真は本文とは関係ありません おまけです

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