昨夜は夜半過ぎから晴れたので木星を撮りました。

https://www.carina.gr.jp/~yamane/Astro/Gallery/Jupiter/#20190516

夕方、GPVと Windyを見て 24時過ぎくらいから晴れ予報だったことと、Windyで 25時あたりの風を見ると 10000mmでも 18m/sくらいと弱め(ここ数日は 60m/s超の日が多かった)で、しかも地表から 10000mまでほぼ北ないしは北西で風向が揃っていたことから好シーイングも期待していました。

実は、自宅で月・惑星を撮るようになって 3シーズン目になりますが、千葉にいた頃に木星のスケッチ観測していた時の経験から、今の自宅周辺はとてもシーイングが悪いと感じています。
ただでさえ日本では夏以外は気流はよくないのですが、それにしても千葉にいたころは真冬が観測シーズンであったのにも関わらず、それなりにディテイルを見ることはできていました。しかし、ここではまともにピントが落ち着かないことが多いのです。
よく言われるような「川底の石を見るような大きな揺らぎ」だけでなく、眼圧検査で目に風を引き当てられた時のように像全体が一瞬にして完全にボケるような独特の状態が頻発するのです。

こうなる原因をあれこれ考えているのですが、ひとつ思うのは富士山の存在です。
(だとすると考えても仕方ないとも言えますが...苦笑)

自宅周辺はこの時期の夜間、ほとんどの高度で北寄りの風が吹きますが、3000m付近に必ずと言っていいほど南東方向の風が存在していて、それがシンチレーション(要は空気の密度のムラですが、ほぼ温度ムラのはず)を大きくしているのではないかという勝手な仮説を立てています。
そういう意味で今日はその実証には絶好のチャンスです。

東京を出る時は快晴でとても美しい夕空でしたが帰宅した時点では予報どおり曇り。
それでも予報を信じて 22時くらいに望遠鏡を出して待機していました。

実際、雲の方は 24時くらいには薄くなり、月はうろこ雲に覆われていたものの木星の周囲はきれいに晴れたので、大いに期待してモニタを覗いたのですが...意外に状態はよくありません。せいぜい 2/5程度でしょうか。

さらに晴れ間がどんどん広がるとともに気温が下がって、シーイングもどんどん悪化してしまいました。

富士宮上空の任意の日時の高度別の風の実績データが見つけられないので、Windyの予報の精度を確かめる術がなくてなんとも歯がゆいのですが、少なくとも表面上は高度ごとの風の向き/強さの予報でシンチレーションの大きさを予測することは難しそうだという、あまりうれしくない例となってしまいました。

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