雲の中の第三接触

そして、第三接触へのカウントダウンとともに雲の中からポチっと光り始めた光点がどんどん大きくなって皆既は終わった。

軽い放心状態の中、太陽はどんどん明るさを増していく。

ふと気づくと雲はずいぶんと薄くなっていて、また前日のような暑さになっている。あと 1時間はやく、この晴れ間に入ってくれていたら、きっと今まで見たことのないずっと凄い光景を目にすることができたのだろう。そう思うと残念ではあるけれ ど、ともかく皆既日食の経過を一通り体験できたことに感謝しつつ、機材が熱でやられないよう、どんどん撤収を始める。

そして、第四接触のカウントダウンが始まる数秒前にはもう欠けていることも確認できないくらいになり、カウント停止に続く拍手とともに、今回の日食は終わった。