鏡面の自作

高校生の時に作った 15cm F8.4反射(Leda)は鏡面の整形を最後まで自力でやりきれなかったので、今回はすべてを自力でやろうと思っていました。

材料をどこでどうやって入手したとかいくらだったとかについてはなぜか記憶が曖昧なのですが、たしか天文ガイドの広告欄にあった(NTK-日本特殊光機だったような?)キット品だったような気がします。(鏡材はパイレックス、盤は青板というお決まりの構成。)

15cmと 12.5cmでは口径の差はたった 2.5cmですが、鏡材の重さがかなり軽いこともあって取り扱いは格段に楽に感じました。

F8くらいが標準だった当時としてはかなり短めの F5で計画を立て、砂ズリも順調に進み、あの強烈な臭いで家族に嫌がられながらピッチを煮てピッチ盤作りも 2回目で成功。
年末に磨きを進めて 1978年の大みそかに紅白歌合戦も見ずに徹夜で整形をして完成させました。
鏡面の精度はきちんと測ったわけではありませんが、まあ良くても λ/2程度ではないかと思います。

メッキは MIZARでお願いしました。
メッキ前にはまったく気づかなかったのですが、戻ってきた鏡を見ると中央 3cmφくらいの範囲にけっこう砂目が残っていたのは結構ショックでした。(笑)

それと、MIZARの 12cm用の窯で蒸着されたと思われますが、微妙に幅が足りておらず 2ヶ所にメッキされていない部分が残っていました。それでもまあ眼視用だし、ごくわずかなことだったので特に気にせずに使っていましたが、後に撮影鏡筒として使うようになってちょっと困りました。(角の回折で輝星に光条が出る)

ともかく完全な自作という目標は達成できてとてもうれしかったのを覚えています。