赤道儀の自作

赤道儀は「天体望遠鏡の自作ガイド(誠文堂新光社)」で見た、宮本幸男さんが作られた「ピラミッド型木製赤道儀」のアイディアをそのまま拝借して、躯体を 25mm厚の合板で組み、25mmφの磨きシャフトの赤経・赤緯軸を各々 2個ずつのピローブロックで支える形にしました。

残念ながら、この頃の図面や写真はまったく残っていませんので文字ばかりの説明になります。

赤経微動は 150mmφ 300歯のウォームホイール、赤緯微動は 8mmズンギリのタンジェントスクリューでクランプは 25mm厚合板の木製(!!)です。

ウォームギアの軸受けは同じく木製で、ボールベアリングをはさんでスリ割りで締め上げて固定しました。
(実はセルを作った時の 8mm厚アルミ板の余りで同じような構造のものを作って交換しようと途中まで作ったのですが、完成する前にアスコの赤道儀が入手できたのでお蔵入りとなりました。)

材料の入手は父の仕事先の関連業者さんから。
今にして思えば図面とも言えないような絵を描いて、ウォームギヤ一式を作っていただき、ピローブロックと磨きシャフト、フランジなど一式と合わせて 30,000円くらいで入手したように覚えています。

高校2年生の夏休みはそんなこんなで工作三昧。
自宅には電動ドリルすらなくて、木工用のノコギリと金ノコ、キリ、ドライバだけで作りました。
合板と言っても 25mmもの厚みがあると材料を切るだけでも大変です。
高校生の頃はそれほど苦も無くやりきりましたが、後に 40歳をすぎてから 28cmドブソニアンを作る際に同じように厚い木を切った際には非常に疲れました。若さとは偉大なものです。(笑)

できあがった赤道儀、躯体はとても頑丈なものにできましたが、クランプが木製というのが最大の弱点となってユラユラとひどく揺れました。
また、とても重いので観測のたびに部屋から出し入れするのはムリでベランダに置いていたのですが、観測時には最低でも屋根のないところまでは移動しなくてはならず(キャスターは重さですぐに壊れてしまいました)、保管の際にも元に戻してブルーシートで雨風よけをするというのがとても大変でした。