現地 2日目

2日目は 11時くらいまで睡眠。
朝食をとってから、クーナバラブランの郊外(という言い方があっているのかよくわからないのですが)にある、Sandstone Cavesの見学に行きました。

ここは名前のとおり砂岩の崖が浸食を受けて様々な色や造形を見せてくれる場所で、クーナバラブランの観光地を検索すればすぐに出てくるような所です。
ただ、平日だったせいか観光客の姿はほとんどなく、駐車場なども看板とちょっとした小屋がある程度のただの広場で、そこにクルマを停めて遊歩道を歩きます。

このエリアは山火事が頻繁に起こる地域のようで、生えている木の多くが幹を真っ黒に焼かれていながら葉を茂らせていました。(2日後に行くことになるサイディング・スプリング天文台などは自前の消防車が配備されていました。)

実は、実際に行く前は正直それほど期待はしていなかったのですが、実物を見ると実に不思議な造形や色合いですっかり見入ってしまいました。

IMG_1327.jpgIMG_1334.jpgIMG_1348.jpgIMG_1355.jpgIMG_1353.jpgIMG_1360.jpg

今回の旅に持参したカメラは重量制限の関係で 2台でしたが、2台ともいわゆる「天体改造」をしたカメラだったので、昼間の写真を撮るためのカメラはスマホしかなかったのがちょっと悔やまれます。

その後、クーナバラブランの街に戻り、スーパーマーケットで食料やアルコール飲料などの買い出しをして宿に帰還。

この日の夕食は、宿の管理人さんが到着歓迎のバーベキューをしてくれました。
しかし主力隊はこの日もまだ合流できませんでした。

いよいよミルロイ天文台へ

食事中、どんどん暗さを増していく西の低空には月齢 1の細い月が見えていました。
空気が澄んでいるせいかまったく黄色みがなく、かといって光量が多いわけでもないので、青く薄暗い感じでなんだか幽霊のような、今までに見たことのない独特の雰囲気を醸し出していました。
今にして思うと、あれは地球照が日本で見るのとは比べ物にならないくらい明るく見えたために青を強く感じていたのではないかと思います。

食事を終えるといそいそと支度をして、いよいよミルロイ天文台に移動して撮影体勢に入ります。

天文台では平日でも毎晩のように観望会が開かれていて参加者がクルマで集まっていました。
ちょうど機材の展開が済む頃、観望会が終わって参加者の皆さん(親子連れが多かった)が帰るのですが、驚いたことに皆さんクルマのライトをつけずに現場を離脱していくのです。
日本では、ガチで撮影をする星屋がたくさん集まるところでさえ、PCのモニタやらヘッドランプやらで光をまき散らしていますが、それとは意識が全然違うことにとても驚きました。
# これはその後も毎晩、参加者のクルマが変わっていても同じでした。

もちろん、暗闇でヘッドライトをつけずに車を移動させることには危険な面もあるので、一概に素晴らしいとばかりは言えないのですが、彼らは当然きちんと安全確認はしているので、そもそもふだんの生活の中でも暗闇での行動に慣れていることの証明なのかな、と思いました。

さて、お天気は快晴です。
とにかく黒々とした夜空に目を疑うような濃い天の川が空を横切っています。
さそり座はまっさかさま、フォーマルハウトがとても高いところにあって明るく、この日までは本当に方向感覚がめちゃくちゃでした。

8月も半ばなので、みなみじゅうじ座やエータカリーナ星雲などはすでにかなり高度が下がっています。
月没が日に日に遅くなるタイミングなので、早い時間帯に撮影をしてしまいたいと気が焦ります。
幸い、極軸の設定は初日の練習で完全にコツをつかめていたので、SWAT-300はナンチャッテ極望で、 SkyMemo Sは内蔵極望で、自信を持って設置できました。
いちおうオートガイダーと Pole Navigator/PHD2などをインストールした PCは持参していましたが、最終日まで極望だけで済ませてしまいました。
もし少しでも光害があれば、おそらく例のはちぶんぎ座の台形(5等星ばかり)は肉眼では見つけられなかったと思いますが、加齢で目の感度がずいぶん落ちた私の目でさえ楽に見えていたので、目のいい人であればさらに楽に見つけられるものと思います。

この日はまず広角 11mmで「エッジオン天の川銀河」を撮りました。
同時に望遠 135mm & 180mmでエータカリーナやみなみじゅうじ・コールサックなど早めにおさえておきたい対象を撮影しつつ、35mmで天の川沿いをずっとなめて天の川のモザイクを狙いました。
さらに後半夜は大小マゼラン雲を望遠で撮影して薄明を迎えました。

本当に至福の時間です。

Milkyway_galaxy_3967-3980_comp14.jpgMilkyway_galaxy_3981-3988_comp8.jpgmoz_Clux_3912-3940_x2.jpgmoz_Milkeyway_2014-2027_comp14.jpgmoz_Milkeyway_2068-2074_comp7.jpgLMC_SMC_2119-2125_comp7.jpg